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交通事故で子どもが受傷した場合の損害賠償請求~後遺障害の残存による逸失利益の請求~|たおく法律事務所

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交通事故で子どもが受傷した場合の損害賠償請求~後遺障害の残存による逸失利益の請求~|たおく法律事務所

交通事故で子どもが受傷した場合の損害賠償請求~後遺障害の残存による逸失利益の請求~|たおく法律事務所

2022/03/29

呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
  今日は、子どもが交通事故に遭い、後遺症について後遺障害等級の認定がされた場合の、将来の収入が減少した分の逸失利益の請求についてお話しします。

【問題の所在】

 後遺障害が残った時、後遺障害の等級によって労働能力喪失率が定められます。
 年収にその割合をかけたものが、逸失利益算定の際に基礎となる年額となります。
 それでは、子どもの年収って何でしょうか。

 年収が決まれば、これに労働能力喪失期間を乗じます。
 ただし、67歳までの逸失利益を請求するとして、67歳のときの100万円よりも今ある100万円の方が値打ちがあります。
 そこで、年数を乗ずる代わりに、中間利息を差し引くための係数を乗じます。

 子どもの場合、仮に67歳まで働けたとしても、働けるようになるのは成人してからのことが多いはずです。
 成人するまでの期間も、逸失利益をもらえるのでしょうか。

 これらについて考えてみます。

【回答】

 まず、年収についてですが、基本的には、性別、学歴計、全年齢の平均賃金センサスによります。
 子どもによっては、将来、人よりも高給取りになる子どももいるはずです。
 それらの個人差は、立証できるなら、理屈の上では高額の逸失利益を請求できるはずです。
 大きな子供になるほど、将来の可能性は狭まりますから、その立証もしやすくなります。
 しかしながら、子どもの無限の可能性を、一点だけ立証することは困難な場合が多いです。

 次に、働けるようになるまでの期間についてですが、この期間については、逸失利益を請求することができません。
 働けるようになる期間から67歳までの期間の年収の減額分を請求することになります。
 ここでも、子どもによって個人差があり、働けるようになるまでの期間も異なります。
 特に事情がなければ成人年齢から請求するのが通常です。
 個人差により、子どものうちから働ける場合もあり、その場合は、理屈の上ではその時点からの逸失利益を請求できます。
 これも、よほどの事情がない限り、成人してからの収入の減少分を請求することになると思われます。

 ちなみに、自賠責の基準では、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の両方合わせて定額の金額になります。
 自賠責の後遺障害保険金は、裁判所の基準の後遺障害慰謝料のみの金額よりも低額です。

【ポイント】

 子どもの逸失利益が問題になる場合でも、弁護士に委任すれば、お金を稼げるようになってから67歳になるまでの間について、適切な金額の後遺障害逸失利益を請求することができます。

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