可動域の測り方
2015/10/22
呉市で弁護士をしている田奧です。
交通事故に遭うと,腰,肩,肘,手,膝,足など,骨折をしたり脱臼をしたりすることがあります。そんな時,関節の可動域が制限されると,後遺障害に該当する場合があります。
では,関節の可動域は,どうやって測るのでしょうか。
まず,測る人は,お医者さんです。
測り方は,専用の分度器があって,それで測ります。測るとき,71度とか69度とかキリの悪い数字になったときには,5度単位で切り上げます。可動域が1度増えると後遺障害診断書上は5度増える場合があるのです。
ですから,相当程度の治療期間を経たうえで,後遺障害等級に該当するぎりぎりの可動域制限が生じているような場合は,早急に後遺障害の手続きを進めたほうが良いでしょう。
次に,関節の可動域は,自分で動かして測るのでしょうか(自動運動)。それとも,お医者さんが動かして測るのでしょうか(他動運動)。
基本的には,他動運動で測ります。しかし,お医者さんが動かしていいのは,患者が無理なく動かせるところまでです。患者が痛いと言っているのに無理やり押し込むわけではありません。
例外的に,自動運動で測る場合もあります。それは,腱が切れていたり,神経が全部切れてしまったりして,他人が動かすことができても自分では全然動かせないような場合です。
関節に可動域の制限が生じたときは,専門のお医者さんに,適切に測ってもらうことが重要となります。