事故後の治療中,保険会社から治療打ち切りを通知された後4か月間治療を延長し,裁判所の基準で示談した事案|たおく法律事務所
2021/07/02
呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
今日は,交通事故に遭って治療中,保険会社から治療打ち切りを通知された後4か月間治療を延長し,裁判所の基準で損害賠償金を獲得した事案を紹介します。
【ケース】
被害者は,自転車を運転して狭い単線道を走行中,対向から加害車両が直進してきたので脇によって自転車を降りたところ,自転車にぶつかられてバランスを崩し,足首と腰をひねりました。
被害者は,その後,腰痛と足裏のしびれの症状を訴えて病院で治療しましたが,症状は改善しませんでした。
被害者は,そのような状況で,事故後2か月の治療後,保険会社から治療打ち切りを通知されました。
【当事務所の対応】
当事務所は,被害者が保険会社から治療打ち切りを通知された段階で受任しました。
当事務所は,慎重に対策を考えました。
当事務所は,被害者が従前通院していた病院がこれ以上の治療に積極的ではなかったため,転院を勧めました。
転院先の病院で診察を受け,中核病院に紹介してもらって腰のMRIを撮影しました。
この結果,神経症状の部位と整合する部分にヘルニアが見つかりました。
当事務所は,加害者の保険会社と交渉し,後遺障害認定の申請をするのに必要な期間だけ治療を延長してもらいました。
その後4か月間,被害者は,疼痛性神経障害の薬を服用し,症状は改善に向かいました。
そのため,後遺障害の申請は非該当でした。
当事務所は,その後,加害者保険会社と示談交渉をしました。
【結果】
示談交渉の結果,治療費を除いて164万円を獲得することができました。
治療期間が延長されない前提で自賠責基準で計算したら,治療費を除いて57万円程度の損害金しか認められない事案でした。
【ポイント】
事故後の治療中,症状が改善していないのに治療を早期に打ち切られた場合,弁護士が対策を検討して病院や保険会社と折衝すれば,症状が改善するまで治療を継続することができる場合があります。
その場合,示談金の額は,弁護士に委任しない場合の3倍程度になる場合があります。