たおく法律事務所

主婦休業損害の計算方法④~シングルマザーの場合~|たおく法律事務所

お問い合わせはこちら 相続のご相談はこちら

主婦休業損害の計算方法④~シングルマザーの場合~|たおく法律事務所

主婦休業損害の計算方法④~シングルマザーの場合~|たおく法律事務所

2022/03/14

呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
  今日も、主婦休業損害の算定及びその際に留意することについてお話しします。
  今回は、特に、シングルマザー・シングルファーザーの場合について述べます。
  以下では、シングルマザーとシングルファーザーを合わせて、シングルマザー等と言います。

【問題の所在】

  シングルマザー等で、子どものための家事をしながら、労働者として働いている方がおられます。
  場合によりますが、全年齢・学歴計の女性平均賃金よりも収入が少ないことがほとんどです。
  シングルマザー等の兼業主婦が、交通事故に遭って家事を休業した場合、主婦としての休業損害は認められるのでしょうか。
  そして、その際に基礎となる日額及び休業日はどのように算定するのでしょうか。

【回答】

  結論から言うと、シングルマザー等の兼業主婦の場合でも、年収が平均賃金を下回っていれば、主婦としての休業が認められます。
  しかしながら、この結論は、主婦休業損害が認められる理由付けからすれば、やや不都合なのです。

  すなわち、家族の中に稼ぎ手がいて、主婦がその人を家事で支えるから、家事労働に経済的な価値が生ずる、というのが、主婦休業損害が認められる理由です。
  しかしながら、シングルマザー等の場合は、その関係が成り立ちません。
  にもかかわらず、多くの裁判例は、シングルマザー等の兼業主婦について、主婦休業損害を認めています。

  私見ですが、シングルマザー等は、子どもの家事をすることで、行政から助成金を受給したり、元配偶者から養育費を受領することができます。
  このことについて、シングルマザー等の家事について、経済的価値を見出すことができるのではないでしょうか。

  ですから、シングルマザー等の場合でも、家事を休業すれば主婦休業損害が発生します。
  その基礎となる日額は、全年齢学歴計の女性平均賃金で算出します。
  ただし、休業日については、兼業主婦の場合と同様の制約が生じます。
  すなわち、兼業の労働の面で休業がないような場合には、家事休業も100%ではなく、制限的に認定される例がみられるところです。

【ポイント】

 シングルマザー等の家事休業が問題となる場合、保険会社が家事休業を否認しても、弁護士に委任することで家事休業損害金を獲得できる場合があります。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。