休業損害の請求方法~先払いの可否~|たおく法律事務所
2022/05/19
呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
今日は、交通事故に遭って仕事を休業した場合、発生した休業損害だけを示談前に先払いしてもらうことができるかについてお話しします。
【問題の所在】
交通事故に遭って、怪我のために仕事を休んだ場合、休んだ月の給料は休んだ分だけ減額されます。
そうなると、被害者は、生活するために必要な金額の収入を維持できない場合があります。
なんとか、発生した休業損害金だけでも示談前に先払いしてもらうことはできないのでしょうか。
【回答】
休業損害金は、職場で休業損害証明書を書いてもらい、必要書類をそろえれば、基本的には、示談前に先払いしてもらうことができます。
ただし、生活に必要な収入の維持という見地からの先払いになるので、実際の収入とは関係のない主婦休業損害金の先払いは、加害者保険会社に断られることが多いです。
また、休業が長期化してくると、加害者保険会社が事故と休業との因果関係を争ってくることがあり、それ以降の休業損害の先払いを断られることがあります。
先払いを断られても、示談時に再度支払を交渉することはできます。
弁護士が受任する前に被害者が自分で休業損害の先払いを受けていた場合、計算の内容が間違っている場合があり、そのような場合は、適切な休業損害額との差額を追加請求することができることもあります。
【ポイント】
労働者の休業損害金は、示談前であっても先払いを請求することができる場合があります。
弁護士に委任すれば、自分で交渉して先払いを受けた休業損害金の額が適切であったかを精査し、足らずがある場合には追加請求できる場合があります。