休業損害の請求方法~通勤労災との併用の場合~|たおく法律事務所
2022/05/30
呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
今日は、交通事故で受傷し、休業損害を請求する際、通勤労災を併用している場合にはどのように損害額を算定するかについてお話しします。
【問題の所在】
まず、初めに、通勤労災を併用している場合でも、休業補償の給付の請求をしない場合は、休業損害全額を加害者に損害賠償を請求することになります。
これに対して、通勤労災との併用事案で、休業補償の給付を受給した場合はどうでしょうか。
回収できる休業損害の種類と割合はどうなるのでしょうか。
【回答】
まず、通勤労災の休業補償の給付で支払われるのは、欠勤した日の給料相当額の6割です。
有給休暇を使用した場合や、欠勤の場合でも給料相当額の4割については、休業補償の給付の対象にはなりません。
ですので、有給休暇を使用した分や、欠勤の場合でも給料相当額の4割については、加害者に請求することになります。
また、通勤労災を使用した場合、休業特別支給金として、欠勤の場合の給料相当額の2割を払ってもらえます。
このお金は、損害賠償としてもらうわけではなく、福祉としてもらうお金なので、損害賠償とは別にもらうことができます。
【ポイント】
交通事故で休業し、通勤労災を併用して、通勤労災から休業補償の給付を受給している場合でも、加害者に対して請求できる休業損害があります。
通勤労災併用事案で、加害者から休業損害金全額を受給していても、休業特別支給金は労災からもらうことができます。
交通事故に注力している弁護士に委任することで、被害者に損がないように、通勤労災と加害者の両方に請求をすることができます。