兼業主婦のシングルマザーが、ほぼ満額の主婦休業損害を獲得した事案

呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
　今日は、兼業主婦のシングルマザーが、交通事故に遭って、十分な期間の治療後に、裁判所の基準で主婦休業損害金を獲得した事案を紹介します。

【ケース】

　被害者は、被害車両を運転して片側二車線の左側を直進していたところ、左前方路外駐車場から路内に出ようとしていた相手車が、無理矢理自車の前に出てきたため、右にかわしたが、自車左後側面（タイヤ付近）に相手車右前角部分が衝突しました。
　今日紹介するのは、この事故の、人損示談の部分です。

【当事務所の対応】

　被害者は、一人で、子どもたちと自分のための家事をするシングルマザーでしたが、労働者としても働いて収入を得ていました。
　事故以降、一定期間、労働者としての労働に支障をきたし、労働者としての休業損害の仮払を受けました。
　その後、十分な期間の治療期間を経て、症状固定し、示談交渉の場面に至りました。

　当職は、交渉の際、被害者は、シングルマザーの兼業主婦であり、労働者としての収入は主婦としての労働の経済的評価よりも低いのであるから、本件では主婦休業損害が認められると主張しました。

　当職の粘り強い交渉の結果、ほぼ満額の主婦休業損害金と、傷害慰謝料を獲得できました。

【結果】

　被害者は、示談の結果、治療費等を除いた損害賠償金を、150万円程度獲得することができました。
　被害者が自分で交渉していれば、治療費等を除いた損害賠償金は、61万円程度しか獲得できない事案でした。

【ポイント】

　弁護士に委任することで、兼業主婦のシングルマザーは、裁判所の基準での主婦休業損害金を獲得できる場合があります。
　弁護士に委任することで、交通事故の損害賠償金（治療費等を除いた獲得額）は、金額にして89万円、倍率にして2.4倍程度増額することができる場合があります。