傷害慰謝料の算定方法⑵(むち打ちの場合)
2015/12/03
呉市で弁護士をしております,田奧です。
傷害慰謝料の算定の際の要素となるのは,基本的には「総治療期間から入院期間を控除した期間」と「入院期間」であるということを,前回お話ししました。
それでは,どのような傷害の場合でもそうなるのでしょうか。
いいえ,それは違います。
むち打ち症で他覚症状がない場合,「総治療期間から入院期間を控除した期間」の代わりに「通院実日数の3倍程度の期間」が要素となります。
例えば,事故直後から治療を初めて6か月後に症状固定し,通院実日数が毎月2日であれば,要素となるのは6ヶ月=180日ではなく2日×6ヶ月×3=36日となります。
むち打ち症の場合,実際に通院した日数の重要度が高いのです。
むち打ち症で他覚症状がない場合,その痛みは誰にも分りません。
でも,通院治療によって痛みが和らぐなら,しっかり治療をするべきです。
事故直後に救急搬送されたような大きな病院で毎日の治療ができないなら,自宅や職場の近所の開業医さん宛に紹介状を書いてもらうことも考えるべきでしょう。
しっかり治療をして,適切な慰謝料を認めてもらいたいですね。