駐車場内の事故で有利な過失割合で示談した事案|たおく法律事務所
2021/03/02
呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。今日は,駐車場内の交通事故で,刑事記録を取り付けたところ,事故現場と思われていた駐車場が別の駐車場であることが判明し,依頼者に有利な過失割合で示談ができた事案を紹介します。
【ケース】
この事案は,依頼者が駐車場内の通路を走行中,右折しようとしたときに左側から直進してきた相手方車両と出合頭で衝突し,依頼者の車が全損となった事案です。
【当事務所の対応】
当事務所は,依頼者が自分で示談交渉をして,相手方から過失割合の提示を受けた段階で受任しました。
相手方保険会社は,現場と称する駐車場の写真を提示して,相手方の通行していた通路の方が依頼者の通行していた通路より広く,依頼者は進路についての標識に違反しているので依頼者の過失が8割以上あるという主張をしていました。
当事務所は,依頼者と面談して駐車場の写真を精査しているうちに,依頼者の説明する駐車場と現場と称する駐車場が別の駐車場である可能性があることに気が付きました。
そこで,刑事記録を取り付けて実況見分調書を確認し,正しい事故現場を探し出し,相手方保険会社と再度交渉しました。
【結果】
正しい事故現場は,双方の進行していた駐車場内の通路に広路狭路の関係はなく,依頼者の進行していた方向に進路についての標識違反はありませんでした。
これまでの交渉の経緯はすべてひっくり返り,双方の過失を5割として示談が成立しました。
【ポイント】
被害者が自分で交渉して正しいと思っていたことでも,弁護士が証拠を取り付けて精査すると思わぬ盲点に気がつくことがあります。
そして,それに気づくことで,有利な過失割合を実現できる場合があります。