ご高齢者の死亡事故で,満額の慰謝料と主婦・年金の逸失利益を獲得した事案|たおく法律事務所
2021/08/30
呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
今日は,ご高齢者の死亡事故で,満額の慰謝料と,主婦・年金の逸失利益を獲得した事案を紹介します。
【ケース】
この方は,信号のない横断歩道上を横断中,左方向から片側一車線の道を進行してきた加害車両にはねられ,病院に救急搬送されたものの亡くなりました。
ご遺族は,大事な家族を失ったことと,加害者の誠意のない対応で,長い間苦しみました。
【当事務所の対応】
当事務所は,加害者の刑事裁判が終了することに受任しました。
当事務所は,被害者の損害賠償金額を裁判所の基準で計算し,加害者保険会社に請求をしました。
加害者保険会社は,交渉の初めに,被害者がご高齢であったということもあり,示談して自賠保険金の一部を回収するか,裁判で利息を含む賠償金を支払って自賠保険金の全額を回収するかを検討していました。
その後,加害者保険会社は,当事務所弁護士に対し,できれば示談で解決したいという意向を示しました。
当事務所としては,加害者保険会社に対し,示談を望むのであれば,裁判所基準の損害賠償金を支払うのは当然であるが,加害者本人としても被害者に気持ちを表すべきではないかと伝えました。
そうしたところ,加害者本人は,事故後2年以上たって初めて,現場に花を手向けました。
損害賠償の争点となったのは,死亡慰謝料,主婦としての逸失利益,年金部分の逸失利益の3点でした。
交渉の結果,慰謝料は裁判所基準の満額を獲得しました。
主婦としての逸失利益は,夫の介護の必要があったという事実を主張して,高齢による控除をしないで金額を計算することを獲得しました。
年金部分の逸失利益についても,裁判上認められ得る生活費の控除については譲歩したものの,裁判所の基準の賠償金を獲得しました。
【結果】
ご遺族が自分で示談した場合,自賠責保険の基準で計算した2007万円程度の損害金を受領していたと考えられます。
当事務所が受任したため,4500万円以上の損害賠償金をご遺族に支払うという形で示談ができました。
【ポイント】
死亡事故では,弁護士に委任すれば,保険会社を通じてご遺族の気持ちを加害者に伝えることができます。
弁護士に委任すれば,示談金は,自分で交渉する場合の2倍以上となり,金額で2500万円以上の増額を獲得することができる場合があります。