物損事故で，壊れた車についての損害の額は修理費用か時価額か｜たおく法律事務所

呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
　　 今日は，交通事故で車が壊れた時，壊れた車についての損害額は，修理費用相当額か時価額か，という点についてお話しします。

【問題の所在】

　交通事故で車が壊れた時，物理的に修理できる場合と修理できない場合があります。
　修理できないのであれば，車の損害額は，時価額になります。

　それでは，修理できる場合には，どんなに高額な修理費用でも払ってもらえるのでしょうか。
　それとも，車の時価額が損害額になるのでしょうか。

【問題に対する回答】

　この問題に対する回答は，ケースバイケースということになります。
　例えば，100万円で取引されている車を修理するのに，150万円かけます，という話をすれば，
　100万円で同じのを買ってくださいよ，となります。
　あるいは，100万円で損傷を元通り直せるのに，150万円かけて同じ車を買います，という話をすれば，
　100万円で修理してくださいよ，となります。

　すなわち，時価額と修理費用の，いずれか低い金額が，損傷した車の損害額ということになります。

　このように言えば，シンプルですが，実際は簡単にいかないことがあります。

　保険会社が修理費用が時価額を上回っているので，修理費用は出せないと言っていても，
　弁護士が調査すれば，時価額がもっと高くて修理費用全額を払ってもらえる場合があります。

　修理するにしても，保険会社が，一定の修理項目を否認する場合もあります。

　物損事故といえども，弁護士が受任することで，より適切な損害賠償請求をすることができる場合があります。

【ポイント】

　交通事故で損傷した車の損害額は，修理費用と時価額のどちらか低い方の金額になります。
　そのルールはシンプルですが，実際は簡単にいかず，弁護士に委任すべき場合もあります。