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主婦休業損害の計算方法②~兼業主婦の場合~

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主婦休業損害の計算方法②~兼業主婦の場合~|たおく法律事務所

主婦休業損害の計算方法②~兼業主婦の場合~|たおく法律事務所

2022/03/07

呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
  今日は、主婦休業損害の算定方法及びその際の留意すべきことの続きについてお話しします。
  今回は、特に、兼業主婦の場合についてお話しします。

【問題の所在】

  近年、主婦として家事をこなしながら、労働者として稼働している方は多くいます。
  そのような方が、事故により家事に支障をきたした場合、主婦としての休業損害は請求できるのでしょうか。
  労働者としての休業と主婦としての休業の両方を請求することはできるのでしょうか。
  労働者としての減収がなくとも、主婦としての休業を請求できるのでしょうか。
  そのようなことをお話しします。

【回答】

 まず、兼業主婦の方が事故で休業をする場合、主婦としてみるか、労働者としてみるかは、どちらの年収の方が多いかで判断します。
 主婦の年収は、全年齢、学歴計の女性平均賃金で算定します。
 労働者としての年収は、源泉徴収票に記載された総支給額です。
 これら二つを比較して、女性平均賃金の金額の方が高額であれば、主婦としての休業損害を請求できます。
 
 労働者としての休業と主婦としての休業の両方の損害を請求することはできません。

 兼業主婦の休業損害の基礎日額は、専業主婦の場合と同じで、女性の平均賃金を365日で割って算定します。
 兼業主婦の休業損害の算定のための基礎日額は、およそ1万円となります。

 それでは、労働者としての減収がない場合、専業主婦の場合と同様に、基礎日額に実通院日を乗じて算定した金額を請求できるのでしょうか。
 回答としては、できない場合の方が多い、となります。
 兼業主婦の労働者としての減収がないのであれば、労働者としては稼働していたということになり、主婦としての休業も限定的であったと認定されるからです。
 その場合、労働者としての減収がないことが事故の怪我とは関係のない要因によること、主婦としての休業があったことを立証していくことになります。

 兼業主婦の休業損害が争点になると、裁判や、交通事故紛争処理センターで係争する場合も多くあります。

【ポイント】

 兼業主婦で労働者としての減収がない場合でも、弁護士に委任することで、家事休業について相当程度の損害金を請求できる場合があります。

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