たおく法律事務所

傷害慰謝料の算定方法⑸(むち打ち等,赤い本の改定)

お問い合わせはこちら 相続のご相談はこちら

傷害慰謝料の算定方法⑸(むち打ち等,赤い本の改定)

傷害慰謝料の算定方法⑸(むち打ち等,赤い本の改定)

2016/08/18

呉市で弁護士をしています。田奧です。

 

ずっと前から書こうと思っていましたが,平成28年版から,赤い本の慰謝料に関する基準が改訂されました。

今回は,むち打ち症の慰謝料算定の基準についてお話します。

 

以前の基準では,むち打ち症で他覚的所見がない場合,慰謝料算定のための通院期間は,その期間を限度として「実治療日数の3倍程度」を目安とする。と規定されていました。

総治療日数が6ヶ月あっても,実治療日数が10日であれば,慰謝料算定のための通院期間は1ヶ月とされていました。

 

ところが,この度の改定で,むち打ち症で他覚的所見がない場合等は,「通院が長期に渡る場合」は「実通院日数の3倍程度」を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもある。と改められました。その他にも改定された点はあるのですが,ここでは省きます。

改定後は,先ほどの例であれば,慰謝料算定のための通院期間は6ヶ月となります。

 

改定のポイントは,①通院が長期に渡る場合にのみ,総治療期間で慰謝料を算定しないことと,②実治療日数ではなくて実通院日数の3倍とする点です。

 

今後は,通院期間6ヶ月程度のむち打ち症の慰謝料は,総治療期間で慰謝料を算定することになるでしょう。

通院が長期に渡る場合で3倍ルールが適用される場合でも,検査通院や経過観察のための通院も3を掛ける母数に含まれることになるでしょう。

 

新しい基準に基づいて,適切な損害賠償を実現したいですね。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。