医師が後遺障害診断書を書いてくれず,別の病院に作成を依頼して後遺障害14級9号と認定され,裁判所の基準で示談した事案|たおく法律事務所
2021/07/21
呉市で交通事故被害の救済に注力する弁護士の田奧です。
今日は,医師に後遺障害診断書の作成を依頼したが書いてもらえず,他の病院に依頼したところ,作成していただき,後遺障害認定等級14級9号と認定された事案を紹介します。
【ケース】
このケースは,被害者が,知人の車に同乗していたところ,知人の車がセンターオーバーして対向車と正面衝突し,軸椎骨折等の重症を負ったという事案です。
被害者は,住居の関係で,複数の病院で治療を受けました。
【当事務所の対応】
当事務所は,被害者の治療が終わり,保険会社から傷害部分だけの賠償金で示談提示を受けた時点で受任しました。
当事務所は,診断書を見た限り後遺障害非該当の事案ではないと考え,後遺障害の認定申請をすべき事案と方針を定めました。
当事務所と被害者は,病院に後遺障害診断と診断書の作成を依頼しました。
しかしながら,被害者の住居に近いクリニックと中核病院では後遺障害診断書の作成を断られました。
住居から遠い別の病院でも治療を受けていたので,その病院に後遺障害診断を依頼し,やっとのことで後遺障害診断書を作成していただけました。
当事務所は,被害者請求の形で後遺障害の認定申請を行い,後遺障害認定等級14級9号と認定されました。
当事務所は,相手方保険会社と示談交渉をしました。
特に,後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間については,むち打ち以外の骨折による神経症状であることを強調し,労働能力喪失期間は10年であると主張し,その通り認定されました。
【結果】
当事務所が受任した結果,後遺障害認定等級14級9号を獲得し,示談金は治療費等を除いて約430万円と獲得しました。
当初保険会社が提示していたのは,治療費等を除いて100万円足らずだったので,獲得額は4.3倍になりました。
【ポイント】
保険会社が後遺障害に該当しないと判断していて,医師が後遺障害診断書の作成を断っても,弁護士が受任して適宜業務を行えば,後遺障害認定を獲得できる場合があります。
その一例として,本事案があり,示談金は被害者本人が交渉した場合の4.3倍になりました。